自己破産で失うもの、自己破産しても残るもの

自己破産で失うもの残るもの

自己破産で失うもの残るもの

自己破産で失うもの、自己破産しても残るものを事前に知っておきましょう。
借金返済ができなくなって自己破産を考えるにしても、失うもの、残るものの内容によっては自己破産できない場合もあると思います。

先にざっくりと結論を言うと、最低限の生活費は残ります。

自己破産で失うのは、家・車・預金・保険といった財産、金融機関の信用、一部の資格です。
また、自己破産手続き中のみ失うものもあります。

このページでは自己破産で失うもの、自己破産しても残るものについて解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。

 

自己破産で失うもの

自己破産で失うもの

一番気になる自己破産で失うものは大きく分けて以下の3種類です。

  • 財産
  • 信用(資格)
  • 自由(権利)

これらは永久に失うものと、破産手続き中の間だけ制限を受けるものに分かれます。
それぞれ、具体的に解説してきます。

 

自己破産で失うもの1.20万円以上の財産

自己破産すると最低限の現預金と家財道具の除いて、20万円以上の財産は失うことになります。
弁護士が財産目録を作成して、裁判所で細かくチェック、破産管財人が売却して債権者に配当することになります。

 

自己破産で失うもの財産その1.所有する家(土地・建物)

自己破産者が所有する家、土地、建物といった不動産は全て失います。
配偶者・親・子などと共同名義になっている場合、それぞれが連帯債務者としての義務を負っているため、住宅ローンを肩代わりして一括返済することを要求されます。
返済できない場合、家は競売で売却されてしまいます。

参考:自己破産と住宅ローン!自己破産後に住宅ローンに通ったのは何年後?

 

自己破産で失うもの財産その2.車

自己破産すると車も処分されてしまいますが、車については無条件で失うわけではありません。
中古車店などの査定金額が20万円を超える場合のみ、処分対象になります。

20万円以下の場合は対象外です。
20万円を越える車をどうしても残したい場合は、以下を参考にしてください。

参考:自己破産すると車はどうなる?車を残す方法はある?

 

自己破産で失うもの財産その3.現金・預金

自己破産したら当面の生活費を除いた現金・預金は全て没収です。
当面の生活費は現金であれば99万円、預貯金であれば20万円と決められています。
現金と預貯金で金額が異なるこに違和感を感じると思いますが、これがルールですので、破産申請前に預貯金を引き出して現金にしておきましょう。

参考:自己破産での財産隠しってバレない?残せる財産は?

 

自己破産で失うもの財産その4.有価証券

自己破産すると株式・社債・貸付金・保険などの有価証券は失います。
有価証券の扱いで気になるのは保険、中でも子供のための学資保険まで失うのかという点だと思います。
結論を言うと、破産者が支払っていた保険であれば処分対象です。

参考:自己破産で生命保険は解約?親が払ってる生命保険の扱いは?

 

自己破産で失うもの財産その5.家財道具の一部

生活に必要な家財道具は処分対象にはなりませんが、一部例外もあります。
貴金属、宝石、高級家具、高級家電、絵画などの価値が20万円を超える家財道具については生活必需品ではないとして失ってしまいます。
テレビは処分対象外ですが、2台目からは処分されます。

参考:自己破産で差し押さえられるものは?差し押さえは家に来る?

 

自己破産で失うもの財産その6.退職金の一部

退職金が支給される会社に勤務している場合、自己破産申請した時点で退職した場合の退職金の一部が処分対象になります。
会社を退職せずに勤務を継続する場合、退職金は支払われないと思いますが、その場合は破産後に分割で支払うことになります。

参考:自己破産で退職金は没収?会社にばれない退職金見込額証明書の取得方法

 

自己破産で失うもの2.金融機関の信用、一部の資格

自己破産すると信用を失うことになります。
金融機関の信用については最大10年、それ以外については破産手続き中の間のみ制限されることになります。
選挙権を失うのでは、といった勘違いをする人もいますが、選挙権はまったく影響を受けません。

 

自己破産で失うもの信用その1.ブラックリスト登録

自己破産すると金融機関のブラックリストに掲載されて信用を失ってしまいます。
住宅ローン、携帯電話の分割、ショッピングローン、クレジットカード、カードローンなどの審査は全て通らなくなってしまいます。
ブラックリストは最大10年、最短5年です。

参考:自己破産のブラックリスト期間と解除!ブラックリスト何年で消える?

 

自己破産で失うもの信用その2.官報への掲載

自己破産の申し立てを行うと、官報に掲載されます。
官報とは、日本国の機関紙ですが、インターネット上でも公開されています。
官報に自己破産者として掲載されると、闇金業者から融資の勧誘が来ることもあるので、安易に闇金を利用しないよう注意が必要です。

 

自己破産で失うもの信用その3.自己破産者名簿への記載

自己破産の申し立てを行うと、自己破産者名簿に記載されます。
この名簿は市町村で作成・保険されていますが、名簿への記載は破産手続き中の間のみであり、手続きが終了すると削除されます。
一般の人が目にすることはない名簿です。

 

自己破産で失うもの信用その4.資格

自己破産すると、以下の資格については制限を受けます。

  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 理士
  • 公証人
  • 司法書士
  • 宅地建物取引業者
  • 証券会社外交員
  • 質屋
  • 風俗営業者
  • 古物商
  • 生命保険募集員
  • 損害保険代理店
  • 備員
  • 建設業者
  • 後見人

※具体的には、以下のページを参考にして下さい。

参考:自己破産と仕事!自己破産による職業制限一覧と資格制限一覧

 

自己破産で失うもの3.住居移転・長期旅行の自由・権利(手続き中の制限)

自己破産の申し立てを行うと、手続き終了までの期間ですが制限される自由があります。
自由の制限と言っても、そんなに大袈裟なものではありませんが。

 

自己破産で失うもの自由・権利その1.住居の移転

自己破産手続き中は、住居の移転を制限されます。
手続きを円滑に進めるための処置ですので、裁判所の許可があれば移転は可能です。

 

自己破産で失うもの自由・権利その2.長期の旅行

自己破産手続き中は、長期の旅行を制限されます。
手続きを円滑に進めるための処置ですので、裁判所の許可があれば旅行は可能ですが、実際に旅行する人はいないと思います。

 

自己破産しても残るもの

自己破産で残るもの
  • 当面の生活費
  • 自己破産にかかった費用
  • 税金の支払い
  • 養育費・慰謝料の支払い
  • 年金
  • 生活保護費

自己破産して免責されても、全ての責務から開放されるわけではありません。
それぞれ、具体的に解説してきます。

 

自己破産しても残るもの1.当面の生活費

現金99万円、預貯金20万円までは当面の生活費として残すことができます。
見て分かる通り現金に比べて預貯金の方が金額が少ないので、申し立てまでに現金として手元に引き出しておくことをおすすめします。

 

自己破産しても残るもの2.家財道具

生活に必要な家具、生活家電、衣服などは生活必需品として残せます。
生活必需品以外で残せるも家財道具としては、パソコン、ゲーム機、ゲームソフト、書籍(漫画を含む)、楽器(20万円以下の場合)などがあります。

 

自己破産しても残るもの3.自己破産にかかった費用

財産の有無で異なりますが、自己破産するには裁判所・弁護士報酬・印紙代などで50万円程度の費用が必要になります。
手持ちの資金から50万円を用立てられなかった場合、分割で支払う必要があります。

 

自己破産しても残るもの4.税金の支払い

自己破産してみ滞納している税金はそのまま残ります。
税務署は、金融会社・闇金業者などより情け容赦ないので、税金は借金返済よりも優先して支払っておくことをおすすめします。

 

自己破産しても残るもの5.養育費・婚姻費用の支払い

養育費や慰謝料を支払っていた場合、自己破産しても免除されません。
養育費・婚姻費用は保護性は高いため、対象外となっています。

 

自己破産しても残るもの6.年金

年金受給権は自己破産しても失うことはありません。
生存権にかかわるものなので、年金については差し押さえも禁止されています。

 

自己破産しても残るもの7.生活保護費

生活保護費は自己破産しても失うことはありません。
生存権にかかわるものなので、生活保護費についても差し押さえも禁止されています。

 

自己破産しても残る借金

自己破産しても残る借金

自己破産して免責されれば借金は帳消しになるのが基本ですが、注意点があります。
お金を借りている金融機関については、債権者一覧表という書面を作成して裁判所に報告するのですが、報告漏れがあると免責されないのです。

複数の金融機関からお金を借りて滞納している人の中には、どこから借りているのか自分でも分からなくなっている場合も少なくありません。
そういった場合は、自分の借金を調べることが必要です。

自分の借金を調べる方法としては、銀行口座の履歴、伝票類を確認するほか、信用情報機関に照会することで調べられます。
詳しくは、弁護士に指示に従うと良いでしょう。

報告漏れした借金はそのまま残っているので、金融機関から請求されれば支払うしかありません。
万が一にも漏れないように十分に確認することをおすすめします。

 

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