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仮想通貨の利益は確定申告が必要なの?
やり方がわからないよ。
仮想通貨の運用により20万円を超える利益が出た場合、利益が出た翌年の3月15日までに確定申告が必要です。
しかし確定申告が初めての人や仮想通貨の利益が初めて出た人は、確定申告のやり方がわからないでしょう。
この記事では仮想通貨の利益の計算方法から確定申告のやり方まで、詳しく紹介します。
仮想通貨で得た利益による所得は課税対象です。
所得税には所得の特徴により10種類に分類されますが、仮想通貨で得た利益による所得は10種類の分類のうち「雑所得」に分類されます。
確定申告の義務が発生するのは利益が20万円を超えたときです。
ただし以下のいずれかに該当する場合は、仮想通貨での利益が20万円以下でも確定申告の必要があります。
確定申告が必要な条件
- 給与収入が年間2,000万円を超える
- 給与を2箇所以上からもらっている
- 住宅ローン控除の適用を受ける(初年度のみ)
- 雑損控除、医療費控除、寄付金控除を受ける
- 配当控除を受ける
- 同族会社の役員などで、給与以外に貸付金の利子や賃貸料を受け取っている
サラリーマンの場合、通常は年末調整で確定申告不要となりますが、仮想通貨で20万円を超える利益が発生した場合は源泉徴収票を貰い自分で確定申告をする必要があります。
仮想通貨を保有しているだけの状態であれば、含み益が出たとしても所得税は発生しません。
仮想通貨を何らかの取引によって手放し、利益が発生したときに課税対象となります。
課税対象となる所得が発生する取引は以下の4つです。
課税対象となる所得が発生するタイミング
- 仮想通貨の売却時
- 仮想通貨での決済時
- 仮想通貨で他の仮想通貨を購入時
- マイニングで仮想通貨を取得時
それぞれ詳しく解説していきます。
仮想通貨の売却時には、以下の計算により課税所得が算出されます。
売却時の課税所得
(課税所得)=(仮想通貨の売却価額)ー(仮想通貨の取得時の1単位当たりの価額×売却数量)
取得時の購入手数料などは取得時の価額に含めます。
仮想通貨の決算時には、決済した時点で利益または損失が発生します。
以下の計算により課税所得が算出されます。
決算時の課税所得
(課税所得)=(購入した商品の価格)ー(仮想通貨の取得時の1単位当たりの価額×売却数量)
例えばビットコインを取得時の価額が1単位当たり5万円の場合を考えます。
ビットコインの価額が1単位当たり10万円まで上がった時点で10万円のバッグを買ったとすると、
課税所得=10万円ー(5万円×1)=5万円
となり、5万円が課税所得となります。
ビットコインでリップルを購入するなど、仮想通貨で他の仮想通貨を購入時には、以下の計算により課税所得が算出されます。
他の仮想通貨を購入時の課税所得
(課税所得)=(他の仮想通貨の購入価額)ー(売却する仮想通貨の取得時の価額)
計算方法は仮想通貨での決済時と同様の考え方です。
マイニングとは取引情報に不正がないかを確認し承認すると、その報酬として無料で仮想通貨が新規発行される仕組みのことです。
マイニングで仮想通貨を取得した時点で利益となり、以下の計算により課税所得が算出されます。
マイニングで仮想通貨を取得時の課税所得
(課税所得)=(マイニングで取得した時点での価額)ー(必要経費)
マイニングでの必要経費には以下のものを計上できます。
マイニングにおける必要経費
- パソコンなどの機材代
- インターネット代
- セミナー代
- 水道光熱費
- 自宅などの家賃
- 取引手数料 など
自宅でのマイニングでは、家賃や水道光熱費などは家事按分(費用を仕事とプライベートで区別すること)をする必要があります。
雑所得は「総収入金額ー必要経費」で求められ、この金額が20万円を超えると確定申告による所得税の申告と納付が必要となります。
ビットコインなどの仮想通貨における「必要経費」とは、以下のものがあげられます。
仮想通貨における必要経費
- 仮想通貨に関するセミナー代や書籍代
- 仮想通貨の取得費用
- 出金手数料
- 取引手数料 など
これらの必要経費は全額算入できます。
総収入額の計算方法は、1年間に仮想通貨を何回売買取引したかで変わります。
1年間で1回のみの売買取引であれば、所得税の計算はシンプルです。
仮想通貨の売買取引が1年間で1回のみ
- 3月に1BTC=30万円を1BTC購入
- 11月に1BTC=40万円で1BTC売却
このときの課税所得は、
40万円ー30万円=10万円となります。
一方で1年間に複数回売買取引を行った場合、仮想通貨の主作価額を「総平均法」と「移動平均法」のいずれかの方法によって計算します。
届出をしない限り、確定申告では総平均法により評価されます。
移動平均法で評価したい場合は「所得税の暗号資産の評価方法の届出」が必要です。
以下を例にそれぞれの計算方法を解説します。
仮想通貨の売買取引が1年間で複数回の例
- 2月に1BTC=10万円を3BTC購入
- 3月に1BTC=40万円を1BTC購入
- 5月に1BTC=50万円で1BTC売却
- 10月に1BTA=30万円を1BTC購入
総平均法は、1年間で取得したすべての金額を合計し平均取得単価を算出します。
例より、下記の計算となります。
1年間の総取得数:5BTC
- 1年間の総取得価額:10万円×3BTC+40万円×1BTC+30万円×1BTC=100万円
- 1年間の平均取得単価:100万円÷5BTC=20万円
1BTC=50万円のときに1BTCを売却したため、
利益=50万円ー20万円=30万円
移動平均法は、すでに所有する残高と新しく購入した取得価額を平均して取得単価を算出します。
仮想通貨を購入するたびに取得単価の計算が必要になります。
例より、下記の計算となります。
- 2月時点の取得価額:1BTCあたり10万円
- 3月時点の取得価額:1BTCあたり (10万円×3BTC+40万円×1BTC)÷(3BTC+1BTC)=17.5万円
5月の時点で取得価額が1BTC=17.5万円のときに1BTCを売却したため、
利益=50万円ー17.5万円=32.5万円
仮想通貨の利益が20万円を超える場合、確定申告が必要です。
確定申告の申請期間や必要書類などはこちらです。
確定申告・納税の期限 | 利益が出た年の翌年2月16日から3月15日 |
申告・納税場所 | 管轄の税務署 |
提出書類 |
|
確定申告の流れは以下のようになります。
① 仮想通貨の取引所から「年間取引報告書」を発行してもらう
1年間で行った仮想通貨の取引が記録されています。
複数の取引所を利用した場合は、全ての取引所に発行してもらいましょう。
② 仮想通貨の利益を計算する
難関取引報告書から仮想通貨の取引による利益を計算します。
税金の自動計算を行ってくれるツールもあるため、取引が複数あり計算が複雑な人は利用してみるのも おすすめです。
③ 「確定申告書」を記入する
確定申告書は「確定申告ソフト」「確定申告書等作成コーナー」「手書き」のいずれかで作成します。
いずれの場合も、「雑所得」「業務・その他」欄に、先ほど計算した結果を記入します。
仮想通貨の利益以外にも、給与所得などがあれば記入します。
④ 確定申告書を管轄の税務署に提出する
申請期限内に確定申告書と必要書類を税務署に提出しましょう。
⑤ 所得税を納付する
申告が完了したら期限までに税金を納付します。
確定申告は複雑でわかりづらい部分もあるため、困ったときは税務署へ確認しましょう。
確定申告をしなければ、税金を支払わずに済むってこと?
仮想通貨の雑所得に関する確定申告は、個人が行うか行わないかの判断ができるのは事実です。
しかし利益が20万円を超えているなど確定申告が必要であるのにも関わらず、確定申告を行わず払うべき税金を支払わなかった場合、税務署にばれます。
税務署が仮想通貨の取引所から情報を得たり、銀行に入金された仮想通貨での利益の情報を得たりすることで無申告者が洗い出されるのです。
確定申告をせず税金を支払わなかった場合、ペナルティがあります。
確定申告をせず税金を支払わなかった場合や、支払うべき税金より少ない金額で申告(過少申告)した場合は、故意かどうかに関わらずペナルティが科せられます。
税金 | 内容 | 税率 |
延滞税 | 期限を過ぎてからの確定申告や税務調査により支払うべき税金が増えた時にかかる | 最大14.6% |
過少申告加算税 | 期限内に確定申告をしたが、納めるべき税金より低い金額で申告した場合にかかる | 最大15% |
無申告加算税 | 確定申告を忘れていたなど故意でない場合や期限を過ぎて確定申告をした場合にかかる | 最大30% |
重加算税 | 所得の隠蔽など故意に確定申告をしなかった場合にかかる | 最大50% |
確定申告が必要であったことを知らなかった、などの言い訳は通用しません。
もし確定申告をし忘れていたことや少ない金額で申告したことに気づいた場合は、すぐに申告を行いましょう。
申告が早ければ早いほど税率は低くなるため、少ないペナルティで済みます。
仮想通貨を手放したときに発生する利益は「雑所得」に区分され、一定の条件を満たした場合利益が20万円を超えると確定申告が必要です。
利益の計算方法は、年間の取引が複数回である場合は「総平均法」か「移動平均法」のいずれかで計算します。
確定申告を忘れた場合や過少申告した場合は、加算税などのペナルティが科せられます。
そのため仮想通貨の利益の計算方法や税金について正し理解し、期限内に確定申告と納税をしましょう。
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