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病気が増える高齢者… 医療保険はなぜ必要?

若い世代に比べ、高齢者は体調を崩しやすく、また小さな病気やけががきっかけで入院が必要になってしまうケースは多くなります。

そうすると支払わなければならない医療費がかさんでしまい、経済的な不安も出てきてしまいますね。

この記事では、高齢者は医療保険に加入する必要性があるのかどうかについて解説します。

ご自身が年齢を重ねて今後の医療費負担が心配な人はもちろん、年配の親を持つ人もぜひ参考にしてくださいね。

【目次】

高齢者医療制度についておさらいしておこう


人はどんなに体力に自信があったり、体を鍛えたりしても、年を重ねることで抵抗力や体力が落ちていきます。

その結果、高齢者になると季節の変わり目などで体調を崩しやすくなるだけでなく、重大な病を発症しやすく、また軽く転倒しただけで骨折してしまうケースも少なくありません。

このように高齢者は入院のリスクがほかの世代と比べて高くなりますが、日本は公的な医療制度が手厚く、医療費の自己負担は少なく済みます。

医療制度の中でも65歳以上の人が対象となるのが、高齢者医療制度です。

高齢者医療制度は、仕事を引退して収入が少なくなった世代でも、安心して医療を受けるのが目的で設置されています。

年齢によって加入する制度は異なり、65歳から74歳までの人は前期高齢者医療制度、75歳以上の人は後期高齢者医療制度に加入します。

65歳~74歳は2割、75歳以上の高齢者は1割と、それぞれ現役世代(3割)よりも軽い自己負担で医療を受けることができます。

ただし、いずれの高齢者でも現役並みの所得がある人は3割負担となります。


高齢者でかかりやすい病気とは?


厚生労働省がまとめた平成26年患者調査によると、年齢階級別にみた医療機関の受療率は65歳以上が圧倒的に多く、入院が人口10万人に対して2,840人、外来が1万637人となっています(※1)。

高齢者でかかりやすい病気にはさまざまなものがありますが、一例としては、糖尿病や骨粗しょう症、心疾患、脳疾患、ガンなどが挙げられます。

たとえば、高齢者に糖尿病患者が多い原因としては、年齢を重ねると血糖値を下げるインスリンの分泌が減少するためです。

そのうえ、インスリンの働きも低下してしまうことから、年を重ねてから糖尿病を発症する人が多いのです。

骨の強度が低下する骨粗しょう症は特に高齢女性に多く、ちょっとした転倒などで骨折してしまう可能性があります。

また、骨折をきっかけに寝たきりとなってしまうリスクもあります。

このように、老化が原因でさまざまな病気が出やすくなるだけでなく、生活リズムが大きく崩れたり、最悪の場合死亡したりするおそれもあるのです。

(※1)【高齢労働省平成26年患者調査】


高齢者でも医療保険に加入できる?


高齢者も医療保険に加入することができますが注意も必要です。

それは、若い人が払う保険料と比べると、毎月支払わなければならない料金負担がかなり高額になってしまうという点です。

これは、医療保険が保険料の総額と保険金の総額が同じくらいになるよう、収支相当の原則に基づいているためです。

たとえば、30歳の人が終身保険に加入した場合は、数十年もの長い間保険料を払うことになるので、保険会社は安定した運用益を見込むことができ、保険料を安く設定します。

しかし、たとえば75歳の人が加入する場合、平均寿命(女性87.14歳、男性80.98歳(※2))まで生きるとしても、保険会社は加入者から約10年分しか保険料を受け取ることができません。

さらに先述したように、高齢者は若い人よりもけがや病気にかかりやすくなります。

そのため、高齢者の保険料を若い人よりも高く設定しなければ収支が合わなくなってしまいます。

(※2)【厚生労働省簡易生命表】


保障以外もカバーできる!医療保険が必要な高齢者とは?


高齢者は保険料の支払いが若い人よりも大きくなってしまいますが、

それでも医療保険に加入しておいたほうがメリットの多い人もいます。

それは、仕事の引退による収入の減少を保険でカバーしたい人です。

日本の高齢者の医療保険制度は手厚いですが、それでもカバーされない支払いが多くあります。

例えば、通院時は交通費がかかりますし、入院中は治療費だけでなく食事代、さらに大部屋から個室に移る際は差額ベッド代が必要になります。

また、高度な技術が必要な先進医療は一般的な治療よりも高額ですが、公的医療保険ではカバーしきれません。

しかし、医療保険に加入しておくことで、こうした公的医療保険外の出費もカバーすることができるのです。

特に保険適用外の治療が必要な人や、入院は個室が良いなどのこだわりがある人は医療保険への加入したほうが節約につながりやすくなります。

まだまだ現役!医療保険が必要ない高齢者とは?



一方で、医療保険が必要ない高齢者もいます。

それは、現在も仕事をしていて十分な所得・貯蓄がある人、またはすでに仕事は引退していても、現役時代は高所得者で、財産・貯蓄が十分ある人です。

このようなケースでは、手術や入院などがあっても、ある程度の医療費を出すことができますね。

特に、入院で個室を希望する場合の差額のベッド代から、数百万円かかるものもある先進医療を受けることになっても、支払いに困らないほどの資産を持っていれば、医療保険は必要ないと言えるでしょう。


高齢者が医療保険を選ぶポイントとは?


高齢者が医療保険に加入する際のポイントとしては、保険の加入や保障の制限がないかどうか、保障内容と保険料のバランスをしっかり考えておく必要があるということが挙げられます。

医療保険の加入は、これまでの病歴や健康状態によっては保険に加入できないケースがあるほか、加入できても特定の保障を受けられないケースもあります。

特に加入希望時から過去数年以内に、ガンなどのように再発の可能性が高い病気にかかった経験のある人や、健康診断で「要再検査」「要治療」などの指摘を受けたことのある人は審査が厳しくなります。

嘘をついて加入すると告知義務違反となって保険金を受け取れないことがあるので、保険会社の商品や特約、加入基準を確認したうえで加入することが大切です。

次は、保証内容と保険料のバランスについてです。

保証内容が手薄なのに保険料が高いのはもちろんNGですが、たとえば大病や大ケガによる長期入院が心配な場合など、自分の心配にもしっかり対応できる保険内容かどうかもチェックすることが重要です。

特に高齢者が保険を選ぶ際は、公的医療保険の適用外の項目もしっかりカバーされているものを選ぶようにしましょう。

また、その際は保険料の負担額をしっかり計算して無理なく支払い続けられるものを選ぶことが大切です。


病気にかかりやすい高齢者は医療保険が安心


高齢者は、若い世代と比べるとけがや病気にかかる確率や死亡率が格段に上がります。

公的医療保険でカバーできる範囲内であれば、負担は若い世代より少ないですが、それだけではカバーしきれない支払いはたくさんあります。

経済的な負担を減らして入院や治療を受けるためにも医療保険に入っておいたほうが安心ですよ。

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