自己破産した人の連帯保証人は?連帯保証人が自己破産した場合は?

自己破産と連帯保証人

自己破産と連帯保証人

日本では借金をする場合、連帯保証人を要求される事が多く、自己破産の際には連帯保証人についても考えておく必要があります。
なぜ考えておく必要があるかと言えば、必ず影響が出てくるためです。

また逆に、自分の借金の連帯保証人をしている人が自己破産というケースもあるでしょう。
ここでは、ケース毎の影響について解説しています。

 

自己破産した人の連帯保証人はどうなる?

自己破産した人の連帯保証人はどうなる?

自分が自己破産を行った場合、自分の借金は帳消しとなります。
ところが、帳消しになった筈の債務は、そのまま丸ごと連帯保証人に請求される事になります。

自己破産の効力は、あくまでも破産を申し立てた本人に限定されており、連帯保証人が負っている保証債務は別ものだからです。
貸し手側からすれば、その為の保証ですので、通常は一括での返済を要求されます。

借金がどうしても返済できない場合、自己破産を行って生活を再建しようとするのは仕方のない事ですし、日本国民に与えられた権利でもあります。

銀行やクレジット会社、消費者金融などのいわゆる金融業者も、あらかじめ一定の不良率を見込んで貸出を行っているプロですので、過度に負い目を感じる必要はないでしょう。

 

自己破産したら連帯保証人に請求の通知が来る

しかし、連帯保証人は別です。
多くの場合、血縁者や親しい友人などが善意で連帯保証人になってくれているわけです。

自己破産して迷惑を掛ける事になるわけですので、きちんと事情を説明した上で、誠意をもって謝罪を行いましょう。
連帯保証人から罵倒される可能性もありますが、自らの責任として受けとめる他ありません。

注意点として、親しい身内だからといって、保証分の金銭を渡すといった行為は厳禁です。
自己破産の手続き中にそういった行為を行った場合、免責不許可事由に該当する恐れがあります。
どうしても、という事であれば、免責が決定した後にすることです。

 

借主に自己破産されたら連帯保証人の求償権はどうなる?

連帯保証人が、債務者に代わって借金の返済を行った場合、自分が払った金額を本人に請求することができます。
また、自分以外にも連帯保証人がいる場合、人数割した金額を、他の保証人に請求することもできます。
これを、求償権と言います。

この求償権ですが、借金した本人が自己破産してしまうと、もう請求することはできません。
借金全額を連帯保証人が負担することになります。

自己破産は、借金返済できなくなった際の再度の救済制度ですが、それだけに影響は大きいのです。
それでは、連帯保証人にも払えないような大金だとどうなるのでしょうか?

 

借主に自己破産された連帯保証人の債務は死亡しても消えない

債務者本人に自己破産されると、金融機関は連帯保証人に請求してきます。
迷惑書けないと言われたから、などと抵抗する人もいますが、金融機関には通用しません。
そもそも、本人が払えなくなった時のための、連帯保証人なのですから。

それでは、連帯保証人も払えないとどうなるのでしょうか?
本人に自己破産された金融機関としては、差押えでも何でもして、1円でも貸したお金を回収しようとします。
預金だけではなく、家、車、保険なども対象です。

極端な例えですが、連帯保証人の義務は、自殺して死んでも消えません。
負債として、家族が相続することになります。
相続が嫌なら、他の財産も含めて相続放棄するしかありません。

連帯保証人の返済義務から逃れる方法は、保証人自身も自己破産するしかないのです。
本当に酷い話ですよね。
連帯保証人などという制度は無くなった方が良いと思いますが、現実は厳しいのです。

 

自己破産したら賃貸の連帯保証人に家賃を請求される?

自己破産したら賃貸の連帯保証人に家賃を請求される?

自己破産したら、住んでいる賃貸住宅がどうなるのか心配される方もいます。
家賃を滞納していなければ、何も問題ありません。
自己破産したからといって、賃貸住宅を追い出されることもありません。

家賃を滞納していると、債権として裁判所に提出されます。
裁判所からの通知で自己破産を知った大家さんは、連帯保証人に滞納している家賃を請求することになります。
これを避ける方法はありません。

賃貸契約も解約されて、立ち退きを要求される恐れもあります。
そうなれば住むところが無くなってしまいます。

そうならないように、家賃を借金返済よりも優先した支払っておきましょう。
追い出されてしまうと、次の住居を探すのも大変です。
入居時には審査があり、家賃滞納者は契約を断られる可能性があります。

最近では、保証会社を提携している賃貸住宅も多く、そういったケースでは、入居審査で金融ブラックであるかどうかを調査されます。
自己破産していると、入居審査に通らない可能性が高いのです。

 

連帯保証人が自己破産した場合はどうなる?

連帯保証人が自己破産した場合はどうなる?

例えば友人の債務の連帯保証人になっている状態で、自分が自己破産を行うとどうなるのでしょうか?
この場合の影響は、契約の内容によります。

 

連帯保証人は自己破産できない?

自己破産の手続き自体は問題なくできますし、保証債務も含めて免責になります。
しかし、影響はもちろんあります。

連帯保証人の信用状態が悪化した場合、連帯保証人の交代や、残債務の一括返済について約款に記載されていれば、大きな影響があるでしょう。
まずは約款を確認してみましょう。

 

連帯保証人が先に自己破産したら金融機関に分かる?

連帯保証人が自己破産した事が、金融機関に分かるかどうかですが、これは信用調査を行えばすぐに分かります。
金融機関は、各業界の信用情報センターに加盟しており、破産・整理・長期延滞などの事故情報は共有されている為です。

信用調査がいつ行われるかですが、これは定期的に行っている金融機関もあれば、保証契約の締結時にのみ信用調査を行う場合もあります。
繰り返し借金を行う事が前提になっている、極度額の連帯保証人になっている場合などは、定期的に信用調査が行われている事が殆どです。

 

自己破産した人が連帯保証人になれるかは審査次第

いずれにしても、契約内容を確認して影響がある場合は、債務者本人に自己破産する事について連絡しておいた方が良いでしょう。
金融機関によっては、連帯保証人の交代が早急にできない場合、貸し出している融資の一括返済を要求してくる場合があります。

一括で返せと急に言われても対応できるものではありませんので、早めに知らせておく方が良いでしょう。
善意で連帯保証人になったにも関わらず、自己破産したことで逆恨みされたのでは、割に合いませんから。

 

父親が自己破産して連帯保証人の私が借金を分割返済した体験談

父親が自己破産して連帯保証人の私が借金を分割返済した体験談

私の実家は自営業者でした。
自営業者に借金はつきもので、私も父親の連帯保証人をしていました。
そんな父親が自己破産した時に、私が借金を分割で返済した時の体験談です。

自営業の父親を見て育ち、自営業の大変さを間近に見てきたので、娘である自分は、絶対に従業員として働きたいと思っていました。

そして、その通りに大手企業に就職し、結婚相手も手に職のある大手のエンジニアの方を選びました。
普通に安定が一番だと満足し、15年間穏やかな結婚生活を送っていたのです。

そんな穏やかな生活が一変したのは3年前です。
父親から珍しく電話がかかってきました。
一生続けると言っていた仕事を畳むとのことでした。

よくよく聞くと多額の借金があり、それがどうしようもない所まできてしまったようです。
これには驚きました。

つい先日も食事に行き、羽振り良く支払っていたし、お金に困っているとは聞いたことがありません。

しかし唯一不安だったのが、一度だけ借金の連帯保証人になった信用金庫の融資のことです。
200万円の融資を受けたい、新規の所だから連帯保証人が必要、来月には返せる金額だから、と言われて承諾してしまったのです。

気になってその週末に実家で話を聞くと、その200万の返済も出来ていませんでした。
元金も半分近く残っており、10年以上前の借金のために、未払いの利息も膨らんでいました。

父親は自己破産を考えているようでした。、
自己破産となると、その200万は私が返済しなければなりません。

責める気も起きず、とりあえず働かなければ、とそれだけを考えました。
就職した大手企業の仕事は、子どもが産まれた時点で退職しています。
ただ子供が小学生になっているので、パートに出ることは可能でした。

すぐにパート先を探して、週に4回の営業と週に2回のウェイトレスを掛け持ちすることにしたのです。
連帯保証人になっている200万の借金を、少しでも早く完済したいので、月に10万円は返済することに決めました。

もちろん貯金はありましたが、これは家族のために使うものです。
父親の自己破産のために、この貯金は使いたくないという意地もあり、2年近くかけて200万の借金は完済しました。

その間、自分のものはほとんど買わず、お昼ご飯は残り物を弁当にするなど、徹底して節約しました。
価値観も変わり、友人との付き合いも減って、人生が終わったような気分でした。

その後、父親の自己破産は無事に認められ、免責となりました。
これで、その他の借金問題も一段落です。

自己破産するまで、隠し通してくれないでいて良かった。
それだけはホッとしています。

自己破産してから、自分に返済が回ってきたら、父親を許せなかったかもしれません。
借金の連帯保証人になる怖さも知りました。
子供にはお金の怖さを何度も教えていくつもりです。

 

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