老後の生命保険は重要?必要性と加入方法マニュアル
年齢を重ねるにつれ、病気やケガ、死亡のリスクは高まります。
「万が一の際には家族に十分なお金を残したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
老後に新しく生命保険に加入する際には、着目すべき点がいくつかあります。
退職までに年数がある方も、老後の生命保険選びについて知っておくと安心です。
今回は、老後に考える生命保険の必要性と着目すべきポイントについて解説します。
【目次】
生命保険に入るべき!?
必要性のあるケース 生命保険とは、自分が死亡した場合、家族の生活が破たんしてしまうことを回避するための保険です。
そのため、子供が就職し独り立ちをした家庭の場合は、死亡保障を手厚くする必要性は低いと言えます。
それでは、老後を迎えてから生命保険に加入する必要性が高いケースにはどのようなものが考えられるのでしょうか。
まず1つ目のケースとして挙げられるのが「葬儀・遺品整理にかかる費用を準備できていない方」です。
人が死亡すると、葬儀にかかる費用(墓が必要な場合は墓代)と、遺品整理の費用などがかかります。
これらの費用の総額平均は約200万円~300万円です。
しかし、これらの費用を丸々負担する必要はありません。
健康保険による保障が適用されると負担は軽くなります。これらの費用は貯蓄と健康保健の保障でカバーできるケースが多いと言えます。
しかし、何らかの理由で十分な貯金ができなかった方もいるでしょう。
その場合は生命保険に加入し、死亡時にかかる費用を準備しておくのが望ましいです。
2つ目のケースとして挙げられるのが「相続税対策をしたい方」です。
人が死亡すると、受取人として指定された方が金銭や土地、物件などの遺産を相続します。
しかし、遺産相続をするには相続税がかかります。
生命保険の死亡保障には控除枠が設けられているため、相続税の負担を軽くすることができるのです。
老後でも生命保険に入れるの?
加入や見直しのポイントは? 生命保険に加入するためには、さまざまな条件をクリアする必要があります。
審査には加入時の健康状態や、これまでの病気などが含まれますが、老後でも生命保険に加入することはできるのでしょうか。
結論から言うと、老後に生命保険に加入することはできます。
保険商品のなかには、老後のための保険なども用意されているためです。
老後に新しく生命保険に加入したいという方は「一時払い保険」を活用するのも良いでしょう。
一時払い保険とは、加入した際に保険料を一括で支払うタイプの生命保険です。貯蓄性があり、契約期間が長くなると支払った保険料の額よりも増額した給付金を受け取ることもできます。
しかし「貯金を保険料に回してしまうのは気が引ける」という方もいるのではないでしょうか。
その場合は退職金を保険料に充てるのもひとつの方法です。退職金を運用に回すことで、効率よくお金を積み立てることができます。
すでに生命保険に加入している方は、退職後に生命保険の見直しを行うことを忘れないようにしましょう。
老後になると家族を扶養する必要性も低くなるため、契約を結んだ当時のような死亡保障は必要ないケースも多いです。
不要な保証を外すことで、保険料を抑えることができます。
その際には定期保険や医療保障の特約が失効していないかを確認しておきましょう。
これは、定期保険や医療保障の特約は定年になると自動的に保障が切れてしまうケースがあるためです。
解約してもいい?
老後の生命保険は不要? 20代~50代のあいだに生命保険へ加入した方のなかには「老後も加入し続けたほうがいいの?」と不安に思う方もいるようです。
定年退職を迎え毎月の所得がない方にとって、生命保険の必要性は低いと言えるでしょう。
そのため、葬儀代や遺品整理にかかるお金を貯蓄できている場合は、生命保険を解約しても大きな問題には発展しにくいと言えます。
「保険には加入しているけれど、葬儀代や遺品整理にかかるお金は用意できていない」という方はどうすれば良いのでしょうか。
この場合は、保険のタイプや死亡保障金の使い道をどうするのかによって判断が分かれます。
保険のタイプが貯蓄型の場合、解約をすることで解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金の受取額は生命保険への加入歴が長ければ長いほど増えることが特徴です。
貯蓄型の生命保険の場合、保険を解約したからといって葬儀代や遺品整理にかかるお金を準備できなくなるケースは少ないでしょう。
しかし、死亡保障金を誰かに相続させる場合は、相続税を抑えるためにも生命保険への加入を続けることが望ましいです。
また、掛け捨て型の保険に加入している場合、保険を解約することによって得られる解約返戻金は全くないこともあります。
老後に必要な保険って何?
退職後に必要な備え 老後の保険に必要なのは、死後の保障よりも将来の生活を支えるための保障です。
将来の生活を支えるための保障として、医療費や介護費などが挙げられます。
年齢と共に、病気やケガのリスクは上昇し、要介護状態になることも想定しておかなくてはいけません。
ここで、介護が必要になった際にかかる費用に着目してみましょう。
まず、自力で移動できないなどの要介護状態になった場合、車椅子やヘルパー・有料老人ホームの利用、住居の改築などにそれぞれ費用がかかります。
ヘルパーや有料老人ホームの利用料、車椅子のレンタル代金、ポータブルトイレなどの消耗品の購入費などは、その後も長期的に必要になります。
生命文化センターによると、介護にかかる費用の総額は約470万円に上ることが分かっています。
一般的にこれらの費用を貯金と健康保険の保障で賄うことは難しいといわれています。
そのため、介護保障が充実した保険に加入する方も多いのです。
しかし、生命保険の必要性が低いとはいっても、老後も自身に収入があり家族を扶養している場合は例外です。
自分の死後も家族を困らせないために死亡保障を手厚くする必要性が高いと言えるでしょう。
大切なのはお金に困らず暮らしていけるかどうか
環境によって異なるものの、老後に加入する生命保険の必要性は低いといわれています。
保険に加入する方は医療保障や介護保障などが充実したプランを選ぶ方が多いのも良いでしょう。
しかし、老後の保険選びに重要なのは「家族が金銭的に困らずに暮らしていけるかどうか」という点です。
保険に加入する場合、まずは自分の家族の環境を見直すことから始めてみましょう。
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