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仮想通貨で利益が出たら、税金がかかるって聞いたけど本当?
近年話題となっているビットコインなどの仮想通貨ですが、株式や投資信託と同様に運用することで利益や損失が発生します。
株式や投資信託などは譲渡益に税金がかかりますが、仮想通貨にはどのような税金がかかるのでしょうか。
この記事では仮想通貨の利益にかかる税金についてや、税金の計算方法などを紹介します。
仮想通貨で得た利益による所得は課税対象です。
所得税には所得の特徴により10種類に分類されますが、仮想通貨で得た利益による所得は10種類の分類のうち「雑所得」に分類されます。
給与所得 | 勤務先から支払いを受ける給料・賃金・賞与などの給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額 |
事業所得 | 製造業・卸売業・サービス業・農業・漁業その他の事業による所得 |
利子所得 | 公社債・預貯金の利子などによる所得 |
配当所得 | 株式会社などの法人から受ける剰余金の配当・利益の配当・剰余金の分配などによる所得 |
譲渡所得 | 土地・建物・株式・ゴルフ会員権などの資産の譲渡による所得 |
不動産所得 | 家賃・地代・土地建物の権利金などによる所得 |
一時所得 | 生命保険の満期保険金、懸賞当選金品、競馬などの払戻金など、一時的に発生する所得 |
退職所得 | 退職により勤務先から受ける退職手当などの所得 |
山林所得 | 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡による所得 |
雑所得 | ほかのどの所得にも該当しない所得 |
参照:豊島区公式サイト「所得の種類」
雑所得には以下の特徴があります。
雑所得の特徴
総合課税に分類される
税率は累進課税である
損益通算ができない
損失の繰越控除ができない
青色申告特別控除の対象外
雑所得は総合課税に分類されるため、確定申告が必要です。
ただし一定の条件を満たした場合、確定申告の義務が発生するのは利益が20万円を超えたときです。
雑所得の税額を計算する際は、給与所得などほかの所得と合算され「総所得金額」として計算されます。
「総所得金額」から所得控除を引いた「課税所得金額」に税率をかけて税額を計算します。(税額控除がある場合は差し引く。)
この税額を計算する際の税率が、課税所得が増えるほど税率が上がる「累進課税」となっています。
また雑所得は損失を他の利益と相殺する「損益通算」や損失を翌年以降の利益と相殺する「損失の繰越控除」、青色申告特別控除など、損失に対する税制優遇が受けられません。
株式などによる譲渡所得の損失は、確定申告などにより損益通算や損失の繰越控除が受けられます。
一方で仮想通貨は雑所得に分類されるため、損益通算や損失の繰越控除が受けられません。
仮想通貨を保有しているだけの状態であれば、含み益が出たとしても所得税は発生しません。
仮想通貨を何らかの取引によって手放し、利益が発生したときに課税対象となります。
課税対象となる所得が発生する取引は以下の4つです。
課税対象となる所得が発生するタイミング
仮想通貨の売却時
仮想通貨での決済時
仮想通貨で他の仮想通貨を購入時
マイニングで仮想通貨を取得時
それぞれ詳しく解説していきます。
仮想通貨の売却時には、以下の計算により課税所得が算出されます。
売却時の課税所得
(課税所得)=(仮想通貨の売却価額)ー(仮想通貨の取得時の1単位当たりの価額×売却数量)
取得時の購入手数料などは取得時の価額に含めます。
仮想通貨の決算時には、決済した時点で利益または損失が発生します。
以下の計算により課税所得が算出されます。
決算時の課税所得
(課税所得)=(購入した商品の価格)ー(仮想通貨の取得時の1単位当たりの価額×売却数量)
例えばビットコインを取得時の価額が1単位当たり5万円の場合を考えます。
ビットコインの価額が1単位当たり10万円まで上がった時点で10万円のバッグを買ったとすると、
課税所得=10万円ー(5万円×1)=5万円
となり、5万円が課税所得となります。
ビットコインでリップルを購入するなど、仮想通貨で他の仮想通貨を購入時には、以下の計算により課税所得が算出されます。
他の仮想通貨を購入時の課税所得
(課税所得)=(他の仮想通貨の購入価額)ー(売却する仮想通貨の取得時の価額)
計算方法は仮想通貨での決済時と同様の考え方です。
マイニングとは取引情報に不正がないかを確認し承認すると、その報酬として無料で仮想通貨が新規発行される仕組みのことです。
マイニングで仮想通貨を取得した時点で利益となり、以下の計算により課税所得が算出されます。
マイニングで仮想通貨を取得時の課税所得
(課税所得)=(マイニングで取得した時点での価額)ー(必要経費)
マイニングでの必要経費には以下のものを計上できます。
マイニングにおける必要経費
パソコンなどの機材代
インターネット代
セミナー代
水道光熱費
自宅などの家賃
取引手数料
など
自宅でのマイニングでは、家賃や水道光熱費などは家事按分(費用を仕事とプライベートで区別すること)をする必要があります。
雑所得は「総収入金額ー必要経費」で求められ、この金額が20万円を超えると確定申告による所得税の申告と納付が必要となります。
ビットコインなどの仮想通貨における「必要経費」とは、以下のものがあげられます。
仮想通貨における必要経費
仮想通貨に関するセミナー代や書籍代
仮想通貨の取得費用
出金手数料
取引手数料
など
これらの必要経費は全額算入できます。
総収入額の計算方法は、1年間に仮想通貨を何回売買取引したかで変わります。
1年間で1回のみの売買取引であれば、所得税の計算はシンプルです。
仮想通貨の売買取引が1年間で1回のみ
- 3月に1BTC=30万円を1BTC購入
- 11月に1BTC=40万円で1BTC売却
このときの課税所得は、
40万円ー30万円=10万円となります。
一方で1年間に複数回売買取引を行った場合、仮想通貨の主作価額を「総平均法」と「移動平均法」のいずれかの方法によって計算します。
届出をしない限り、確定申告では総平均法により評価されます。
移動平均法で評価したい場合は「所得税の暗号資産の評価方法の届出」が必要です。
以下を例にそれぞれの計算方法を解説します。
仮想通貨の売買取引が1年間で複数回の例
2月に1BTC=10万円を3BTC購入
3月に1BTC=40万円を1BTC購入
5月に1BTC=50万円で1BTC売却
10月に1BTA=30万円を1BTC購入
総平均法は、1年間で取得したすべての金額を合計し平均取得単価を算出します。
例より、下記の計算となります。
1BTC=50万円のときに1BTCを売却したため、
|
移動平均法は、すでに所有する残高と新しく購入した取得価額を平均して取得単価を算出します。
仮想通貨を購入するたびに取得単価の計算が必要になります。
例より、下記の計算となります。
5月の時点で取得価額が1BTC=17.5万円のときに1BTCを売却したため、
|
確定申告をしなければ、税金を支払わずに済むってこと?
仮想通貨の雑所得に関する確定申告は、個人が行うか行わないかの判断ができるのは事実です。
しかし利益が20万円を超えているなど確定申告が必要であるのにも関わらず、確定申告を行わず払うべき税金を支払わなかった場合、税務署にばれます。
税務署が仮想通貨の取引所から情報を得たり、銀行に入金された仮想通貨での利益の情報を得たりすることで無申告者が洗い出されるのです。
確定申告をせず税金を支払わなかった場合、ペナルティがあります。
確定申告をせず税金を支払わなかった場合や、支払うべき税金より少ない金額で申告(過少申告)した場合は、故意かどうかに関わらずペナルティが科せられます。
税金 | 内容 | 税率 |
延滞税 | 期限を過ぎてからの確定申告や税務調査により支払うべき税金が増えた時にかかる | 最大14.6% |
過少申告加算税 | 期限内に確定申告をしたが、納めるべき税金より低い金額で申告した場合にかかる | 最大15% |
無申告加算税 | 確定申告を忘れていたなど故意でない場合や期限を過ぎて確定申告をした場合にかかる | 最大30% |
重加算税 | 所得の隠蔽など故意に確定申告をしなかった場合にかかる | 最大50% |
確定申告が必要であったことを知らなかった、などの言い訳は通用しません。
もし確定申告をし忘れていたことや少ない金額で申告したことに気づいた場合は、すぐに申告を行いましょう。
申告が早ければ早いほど税率は低くなるため、少ないペナルティで済みます。
仮想通貨を手放したときに発生する利益は「雑所得」に区分され、一定の条件を満たした場合利益が20万円を超えると確定申告が必要です。
利益の計算方法は、年間の取引が複数回である場合は「総平均法」か「移動平均法」のいずれかで計算します。
確定申告を忘れた場合や過少申告した場合は、加算税などのペナルティが科せられます。
そのため仮想通貨の利益の計算方法や税金について正しい知識を持ちましょう。
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