WBTC(ラップドビットコイン)とは?特徴やBTCとの違い、将来性まで紹介

仮想通貨市場において注目を集めているのが、WBTC(ラップドビットコイン)です。ビットコインの価格と連動しつつ、イーサリアム上で活用されるこの仮想通貨は、DeFi(分散型金融)アプリケーションの未来を切り開いています。

ビットコインのステーブルコインとも言えるWBTCは、価値を保ちながらも高速トランザクションや多彩なDeFiアプリケーションにアクセス可能です。

今後、WBTCは多くの取引所に上場すると予想されています。海外の取引所ではすでに多く登場していますが、その増加により一層の注目が集まることでしょう。

ビットコインという新しい資産クラスが進化を遂げ、それに伴い派生したWBTCです。これからのデジタル経済を牽引する存在となるかもしれません。新たな投資の世界に足を踏み入れてみましょう。

WBTC(ラップドビットコイン)とは

引用:公式サイト

 通貨名  ラップドビットコイン
 ティッカーシンボル  WBTC
 発行上限可能枚数  ビットコインに依存
 価格  6,222,270.56円
 詳細  公式サイト

WBTC(ラップドビットコイン)は、「BitGo」「Kyber Network」「Ren」によって共同設立され、2019年1月31日に正式にリリースされたプロジェクトです。これは、BTC(ビットコイン)を完全に裏付けたERC20トークンとして、イーサリアムのブロックチェーン上で動作します。

WBTCは、ビットコインと1:1の比率で交換可能なステーブルコインです。WBTCの総供給量には上限がありませんが、BTCの供給量は制限されています。そのため、WBTCはビットコインと同じくらいの希少性を持っています。

WBTCは、ビットコインの流動性とイーサリアムの柔軟性を組み合わせたトークンとして、仮想通貨コミュニティでの注目度が高いです。

WBTCの特徴

WBTCの特徴を紹介しますので、詳しく知りたい方は続きを参考にしてください。

ビットコインのステーブルコイン

WBTCはビットコインと1:1の比率で価値提供をされています。これは、WBTCの価格がビットコインと同じであることを示しており、ステーブルコインとしての機能を持っています。

ステーブルコインとは、法定通貨(ドルや円)や金、他の仮想通貨の価格に連動した通貨のことです。

WBTCは、ビットコインをより使いやすくするために開発されています。価格はビットコインと連動するように作られているため、仮想通貨のなかでは安定感のある通貨です。

ERC-20規格で発行されている

WBTCは「ERC-20」と呼ばれるトークン規格を使用しています。ERC-20は、イーサリアム上で動作するスマートコントラクトの標準仕様であり、最も一般的に利用されているトークンの規格です。

スマートコントラクトは、プログラム可能な契約のことで、ビットコインとイーサリアムはもともと異なるブロックチェーンに存在するため、直接取引ができません。しかし、ERC-20を使用することで、イーサリアム上でこれらのトークンを取引できるようになります。

また、ERC-20でトークンを発行すると「イーサリアム上でビットコインを簡単に取引できる」「マーケットプレイスやウォレットとの連携が可能」「運用の幅が広がる」といったメリットがあります。

DeFiで利用できる

WBTCはERC-20で発行されているため、DeFiでの運用ができます。ビットコインのままですと、DeFiでの運用ができません。

しかし、WBTCに交換することでビットコインと同等価値の通貨をDeFiで運用できます。ビットコインを売却したくないけど、DeFiを利用したい方に便利です。

また、WBTCはDeFi全体の視点から見ると、さまざまなイーサリアムブロックチェーン上で活動しているDeFi企業やプロトコルと協力しています。

これらのパートナーシップは、WBTCを利用している企業やDAOメンバー、スワッププラットフォームなど、多様です。これらのパートナーは、WBTCを単純に扱うだけでなく、DAOメンバーとして参加するなど、さまざまな形で関与しています。

代表的なパートナーは、以下のとおりです。

  • AirSwap
  • Kyber Network
  • Uniswap
  • BitGo
  • Compound

WBTCとBTC(ビットコイン)の違い

続いてはWBTCとビットコインの違いについて説明します。

WBTCはイーサリアムブロックチェーン上のトークン

WBTCとBTCの大きな違いは、ブロックチェーンの違いです。技術的な観点から見ると、WBTCはERC-20と呼ばれる標準規格に従ったトークンです。

トークンは、ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨を発行するためのもので、独自のブロックチェーンを持ちません。

トークンは、ブロックチェーン上で利用されることを前提にして開発された仮想通貨です。これに対して、ビットコインは自身の独自のブロックチェーンを持つ仮想通貨であり、その技術的な構造は異なります。

利用目的が違う

WBTCとビットコインは異なる利用目的を持っています。例えば、ビットコインを長期的に保有したい場合、特にWBTCに変換する必要はありません。

理由として、WBTCは主にDeFiでビットコインを活用する手段として存在しています。単なる長期保有が主な目的ではありません。

WBTCは「ERC-20に基づいたプロトコルでBTCを利用する手段」の一部と見なされます。

仮想通貨を保有している方や将来保有する予定の方には「現物運用で長期保有(ガチホ運用)」「積立投資」「レンディング」がおすすめです。

WBTCの価格動向

引用:CoinMarketCap

これまでの価格推移を見ると、2021年11月にビットコインは780万円の高値を記録し、その後は急落しました。2022年11月には安値の200万円台をつけ、その後は反転の兆しを見せ、2024年1月12日現在では再び上昇傾向にあります。

2021年は新型コロナウイルスのパンデミックによる不安から、世界中でインフレが進行しました。この中で、仮想通貨はインフレへの対策として需要が高まり、2021年末にかけて価格が急騰しました。

2022年〜2023年にかけてはバブルが終了し、下落をみせました。しかし、2023年10月後半からはビットコインの現物ETF承認期待が高まり、2024年1月には実際に承認されることで価格が上昇しています。

WBTCの将来性

続いては、WBTCの将来性について紹介します。

DeFiとしての成長

WBTCはDeFiアプリケーションが動く、イーサリアムブロックチェーン上で有効に利用されます。

DeFiでは、WBTCは担保として活用され、スマートコントラクトを通じてレンディングやステーキングなど、さまざまな取引が可能です。

WBTCはビットコインの価値を守りながら、高速トランザクションやさまざまなDApps(分散型アプリ)へのアクセスをイーサリアムで実現できます。

さらに、ERC-20トークンとして、イーサリアムウォレットやDAppsとの互換性があります。これにより、ビットコインの保有者はDeFiアプリを利用してさまざまな機能を活用可能です。

2021年にはDeFi取引の市場規模が10兆円を超え、仮想通貨市場全体が拡大するなかでDeFi市場も拡大しています。この拡大に伴い、WBTCの需要も増えていくことが期待されます。

ステーブルコインであることの信頼性

WBTCはビットコインの価格に連動する仮想通貨で、「ビットコインのステーブルコイン」として見られています。しかし、この特性が逆にステーブルコインに対する不信感を生むかもしれません。

2018年にはテザー(USDT)が市場に供給された資金を超えてテザーを発行しているという「テザー疑惑」が浮上し、取り付け騒ぎが引き起こされ、価格が急落しました。USDTとは法定通貨であるアメリカドルに連動するステーブルコインです。

ステーブルコインが機能しなくなり無価値になる可能性から生じる不安は、仮想通貨市場全体に波及するため、ネガティブなイメージの克服が今後の課題とされます。

取引所への上場

WBTCは今後、ますます多くの取引所に上場すると予想されます。海外の有名取引所には多く上場しているWBTCですが、国内ではまだコインチェックしか対応しておりません。

将来的にWBTCの需要が拡大するにつれて、さらに多くの取引所に上場する可能性が高まります。

今後は、企業がビットコインを運用して利益を上げることもあるかもしれません。そのような動きが起これば、WBTCへの需要も拡大していくでしょう。

WBTCの購入方法

WBTCは国内取引所だと、コインチェックで取り扱いが行われています。

他には、WBTCのパートナーとなっている取引所(スワップを含む)から発行や購入が容易です。WBTCは一般的にDeFiでの利用が目的とされるので、パートナーとなっている取引所を利用できる状態になっておいた方が良いです。

代表的な取引所は、「AirSwap」「DeversiFi」「HitBTC」「Kyber Network」「GOPAX」などが挙げられます。

これらの海外取引所を利用するには、ある程度仮想通貨を保有している必要があります。理由として、海外取引所では「日本円から仮想通貨への換金・購入」ができないため、国内取引所から海外取引所への送金が必要です。

WBTCはDeFi以外で運用するならBTCを利用する

WBTCはビットコインをDeFiで扱いたい人が利用すべき通貨だといえます。もし、DeFi以外で運用したいならビットコインで行った方が良いです。

ここではビットコインを運用する方法を紹介します。

現物取引

現物取引は仮想通貨を実際に購入し、安いときに買い、高いときに売り収益を得るオーソドックスな投資方法です。株や不動産など同じ手法なため、イメージしやすいでしょう。

チャートを予想する必要があり、その戦略は短期と中長期的なものに分けられます。

短期的な取引では、数日〜数週間程度で売買を行う手法です。メリットとして、すぐに利益が得られる可能性があります。しかし、チャートを予想し値上げ・値下げを判断する必要があるため、難易度の高い投資方法です。

中長期的な取引では、数ヶ月〜数年のスパンで行います。長期的な投資戦略は、チャートを読む必要がなく、初心者にもおすすめできる取引です。また、歴史的に仮想通貨市場で成功を収めてきました。

現物取引は長期的に運用でき、安定感のある収益を追求する投資家に適しています。しかし、価格の変動には耐える覚悟が必要です。

積立投資

定期的に一定額の資金を投入し、市場の平均価格を利用して仮想通貨を購入する方法です。

積み立て投資は市場の波を利用し、長期的な安定性を追求します。この方法はドルコスト平均法として知られ、リスクを分散するのに役立ちます。ドルコスト平均法は、仮想通貨だけではなく、投資全般で使われる安定した利益が狙える戦略です。

また、取引所で積立の設定をしておけば自動で利用できるので、難しい操作もなく初心者にも利用しやすいです。

積立投資はリスクを分散し、長期的な安定性を求める投資家に適しています。ただし、急騰のチャンスを逃す可能性もあるので注意しましょう。

レンディング

仮想通貨のレンディングは、持っている通貨を貸し出すことで利息を稼ぐ方法です。利息をそのまま利用できるので、複利で運用できます。

レンディングはサービスを提供しているプラットフォームで期間を決めて、仮想通貨を預けるだけで利用できるので、簡単です。

銀行に預けているだけでは金利が0.001%ほどしかつきませんが、レンディングなら年率10%も狙えるため、リターンも大きいです。

レンディングは比較的低いリスクで、始めやすい仮想通貨投資方法だといえます。安定した利回りを期待できるため、資産の増加を穏やかに追求できます。

BTCを運用するならBitLending(ビットレンディング)

引用:ビットレンディング

ビットコインを運用するなら、長く安定した投資方法であるレンディングがおすすめです。

実際にレンディングを始めるなら、数あるサービスのうち「BitLending(ビットレンディング)」がおすすめです。

ビットレンディングは最高金利10%を誇るため、比較的大きな利益が狙えるでしょう。

また、他のレンディングサービスと比べて、貸し出すまでの期間が短い傾向にあります。そのためレンディングを始めたいと思ってから実際に貸し出せるまでが早いです。

懸念点として対応銘柄が5種類しかないため、選択肢が少ない点です。しかし、取り扱い通貨はビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、テザー(USDT)など有名どころが多く安心感があります。

ビットレンディングについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。

https://brightreach.co.jp/cryptocurrency/bitlending

まとめ

WBTCはビットコインの価格と連動する仮想通貨です。主にDeFiアプリケーション上で活用されます。WBTCはビットコインの価値を保ちつつ、イーサリアム上で高速トランザクションや多彩なDeFiアプリケーションにアクセスできる特長を持っています。

WBTCはより多くの取引所に上場したり、DeFiの需要が高まることで、将来性も高まっていくでしょう。

また、海外では企業がビットコインを保有する傾向が広がりつつあり、今後は企業がビットコインを運用して利益を上げることも考えられます。これに伴い、WBTCへの需要も増加するかもしれません。

ビットコインを保有しており、DeFiとして利用していきたいと考えている人は、ぜひWBTCを入手してみてください。