債務整理すると決めたとき、やはり気になるのは住宅ローンについてだと思います。
気になるのは、今後住むところは一体どうなるのか、という不安があるからですよね。
消費者金融やクレジットカードでのキャッシングは、債務整理して楽になりたいけど、出来れば住宅ローンはそのままにしておきたいという人もいるでしょう。
家を買うというのは一生に一度のことですし、自宅を失いたい人はいませんよね。
子供がいれば、転校などの問題も出てきます。
ここでは、債務整理と住宅ローンについて解説しています。
よろしければ、参考にしてくださいね。
債務整理の住宅ローンへの影響は、手続きの種類によって異なります。
任意整理、過払い金請求、個人再生、自己破産のそれぞれの手続きごとの影響を解説します。
この方法の場合、実際に影響が出るかどうかは、弁護士との相談結果次第となります。
任意という言葉通り、どの債務を整理するかは自由で、住宅ローンを対象から外すことも自由です。
高金利の借金だけを対象にして金融機関と交渉、一部減額や将来利息のカットなどで、その後の生活が再構築できるようであれば、自宅もそのまま維持できると思います。
反面、住宅ローンを対象にする場合、自宅不動産を担保に取っているので、金融機関は債務整理に応じず、差押え、競売といった手続きを取る可能性が高いです。
住宅競売になると、市価の半額程度で落札されるのは相場です。
立ち退きで自宅を追い出される上、競売しても住宅ローンが残っていれば、返済を要求されます。
過払い金請求では、住宅ローンへの影響はありません。
過払い金とは、利息制限法を超過して払いすぎている利息の事です。
返還するよう請求したとしても、それは金融機関側の債務であって、こちらが借りているお金ではないからです。
既に完済している借金に対する返還請求の場合は、信用情報のブラックリスト登録もありません。
住宅ローンを維持したたまま、借金を大幅(最大9割)減額できるのが、個人再生です。
減額可能な割合で言えば、自己破産につぐ法的手続きで、比較的新しくできた制度となります。
ただし、安定して収入がある事、弁護士に依頼して再生計画を作成して貰うことなどが条件です。
個人再生では、住宅ローンを除く借金を減額した上で、原則3年間(特段の事情がある場合は5年間)で全額を返済します。
キャッシングなどの住宅ローン以外の借金が無い場合、個人再生のメリットはありません。
ただし、自宅を手放したくない方にとっては、これ以上は方法となります。
自己破産では、現金99万円と生活必需品を除き、すべての資産を処分することは必要になります。
自宅も当然その対象ですが、売却処分して住宅ローン債務が残っていても、免責許可が下りれば返済は不要であり、この点は任意整理と大きく異なります。
自己破産を申請すると、住宅ローンを組んでいる金融機関は、自宅不動産に抵当権を設定しているので、裁判所で手続きを行って競売に掛けます。
自宅を落札されると、出ていかなければいけませんが、新しい住居を借りる費用や、引っ越し費用を捻出できる人は多くありません。
そういったケースでは、自己破産の申請を行う前に、任意売却することをおすすめします。
任意売却は、市価の1割減程度で売却が可能です。
住宅ローンの残債務を圧縮できますし、金融機関には内緒で、買い主側に引っ越し費用などを負担して貰う交渉も可能です。
こういった特徴があるため、競売に掛けられて家を追い出されるよりも、数段マシだと言えます。
任意売却は、物件売買と合わせて、残債の処理が必要になりますので、専門家に依頼することをお勧めします。
夫婦共働きなどの場合、持ち家を共同名義にして、それぞれ住宅ローンを組んでいるケースは珍しくありません。
こういったケースでは、夫婦同時に債務整理することが殆どなので、持ち家への影響は前項目で解説した通りなのですが、片方だけが債務整理するケースではどうなるのでしょうか?
結論から言うと、片方だけ債務整理することは可能ですし、個人再生であれば、持ち家の維持を認可された事例もあります。
とは言え、影響があることは事実ですので、夫婦間でのしっかりとした話し合いが必要です。
債務整理を行うと、信用情報機関に事故(ブラック)登録されますので、一定期間は新たに住宅ローンの審査には通らなくなります。
そこで気になるのが、一定期間とは、どのくらいの期間なのか?だと思います。
債務整理の種類と借入先によってブラックリストへの登録が解除されるまでの期間は変わります。
簡単にまとめると以下の通りです。
JICC | 完済から1年経過後 |
CIC | 完済から5年経過後 |
KSC | 完済から5年経過後 |
債務整理後10年間 | 銀行で借りて自己破産した場合、免責後10年間がブラックリスト |
債務整理後5年間 | 上記以外の場合 |
滞納したまま放置している状態では、いつまで経ってもブラック登録が消えないので、住宅ローン審査には通りません。
まずは債務整理して借金を完済し、その後一定期間待つ必要があるわけですね。
ブラック登録が消えれば、あとは通常の審査ですので、収入やクレジットヒストリーで判断されることになります。
借り換えであっても、住宅ローン審査に通る必要がある以上は、可能性は殆どないと言えます。
債務整理で決まった返済を完了させ、ブラック登録が消えるのを待ちましょう。
信用情報機関から事故情報が削除された後、現在の住宅ローンを組んでいる金融機関以外に借り換え審査を申し込みましょう。
債務整理したらブラック登録されて審査に通らなくなる点について説明しましたが、逆に住宅ローン審査に通ったという話を聞きます。
信用情報機関への登録期間が経過した以外には、以下のようなケースが考えられます。
借金の連帯保証人になっていて、借主本人が返済不可能になったとで、保証人が債務整理したような場合です。
保証人にも借金があれば自己登録されてしまいますが、クレジットカードすら持っていないような場合、ブラックになりません。
これは、保証債務を登録する仕組みがないからです。
女性の場合に稀にあるのですが、本人を特定する情報が全て変わってしまって、ブラックであることが、金融機関からは分からないケースです。
戸籍を見れば、旧氏名は分かりますが、住宅ローン審査に戸籍は提出しませんからね。
BrightReach Inc. © 2017